【無事だけど過酷?】登山超ビギナーが東南アジア最高峰のキナバル山(4095m)にチャレンジした話①(登り~ロッジ到着まで)

マレーシア生活

マレーシアに住んで3年目になりました。
たくさんの観光地がある中で、知っていたけれどもやろうとしなかったことが ”キナバル山を登ること” です!
今回ひょんなことからこの東南アジア最高峰の山に登ったのでレポしたいと思います!

キナバル山とは

マレーシアはボルネオ島に位置する山で、世界遺産に登録されています。
その高さは4095mと富士山より高く、東南アジア最高峰とも呼ばれています。
あのイッテQでも、イモトさんたちが登ったことがある山のひとつです。

場所

この山のふもとにあるコタキナバルは、ビーチリゾートがあるためシーフードもおいしいところ。
コタキナバルは海も山も楽しめる楽しい場所なんです!


このキナバル山の登山は日本からのツアーがあるくらい、コロナ前は人気だったようで、調べると登山者さんのブログやyoutubeもたくさん発見できます!

登ることになった経緯とわたしの運動スペック

ひとことで言うと友達に誘われたからです。
12月の末ごろに、「ねー、一緒に登ろうよ~」と言われ、よ、よよよ4000m級の山でしょ!?と一瞬たじろぎましたが、まあいい思い出にもなりそうだし、登山が好きな日本の友人も登ってみたいと言っていたからいいところなんだろうな~という軽い気持ちでOKしました。
なお、パーティは友達夫婦とわたし夫婦の4人グループです!
手配はすべて友達がしてくれました(ありがとうー!)

ちなみにわたしは登山らしい登山はしたことない超ビギナーです。
高校のときに競歩大会で山を越えたとか、小学校のときに雪山にスキー靴をかついで毎週毎年登った…というのは記憶にありますが、日本にあるなんとか岳すら歩いたことがないです。
運動は学生時代にバスケ部だったことと、社会人になってから10kmとハーフのマラソンに片手で数えるくらい参加したことがあるくらい。
思い起こせばハワイのダイヤモンドヘッド(232m)は登ったな~…
せいぜい、東北の山育ちなだけが今回の取柄です。きっと寒さには強いだろう。
調べてみると ”初心者でも登りやすい山” と書いているブログが多いじゃないですか!
こんな超初心者が登り切れるのか、心配半分なのですがだんだん笑えてきました。

初心者がちゃんと登れるかやってやるぜ!と意気揚々と以下のトレーニングを始めました。(1月中旬から)
・ブログとYoutubeでイメージトレーニング
・階段が多いということでコンドミニアムの階段を20階分登り降りを週2で始める
 (登山日が近くなったら実際のリュックに1.5L×2本の水を入れて階段昇降)
・スクワットがメインの筋トレ
・ヨガやストレッチ

をメインにトレーニングし、運動部の発想で念には念を入れてテーピングも練習しました。
ロックダウンと普段ドアtoドアでGrabで行動するので、体重が増えた&めっきり日本にいるときよりも歩かなくなったわたしの脚は、1回目の階段昇降で見事にふくらはぎと太ももが筋肉痛になりました。。
実際に持って行って役だったと思うものやこういうトレーニングしたほうがよかったんじゃないかと思うものは、後半でまとめたいと思います。

なお、一緒に行ったグループは
わたし:登山経験なし
わたしの夫:登山経験なし
友達:昔屋久島などを歩いたことがあるらしい
友達の旦那さん:富士山にも登ったことがあるらしい、日本での登山経験5回くらい
※一応全員元運動部であった。
と、すでに友達夫婦に迷惑をかけるのが見え見えのわたし夫婦です汗

コタキナバル入り

さて、登山のためには前日までに到着しなければならないのですが、初コタキナバルだったので夫と一緒に先に入り、ビーチや街歩きなど観光を堪能しました!
アイランドホッピングやシーフードをエンジョイ!

普通にエンジョイできた話はまた別でまとめます。

そして前日に友達夫婦と合流し、朝6:15に出発するために就寝しました。

いざ出発!

朝6:15ごろ ホテルのロビーに集合。
わたしたち夫婦はポーターさんに頼む荷物を持って移動しました。(当日にお願いしても大丈夫だった)
バンにはわたしたちのグループと1組のマレーシア人のカップルが乗っていました。

まだ薄暗いコタキナバルの街並みを走ること約1時間半ほど。
うとうとと車に揺られていると風景はどんどん街から外れていき、緑の小高い山が現れるようなのどかな道路を走っていきます。
またしばらくすると、山道に入っていきときどき霧でもやがかった道を通ると標高の高さを実感することができました。

受付に到着!
土曜日だったのもあってかたくさんの登山客が出発を今か今かと待っていました。

ここでパスポートの提示や、ポーターさんへの荷物預け確認、登録などを済ませます。

ここにあるトイレは紙もありました!また、コロナのネガティブチェックのため、セルフテストの提示を求められました。

受付を済ませると、このようなカードをもらいます。

これは裏に名前が書いてあり、各チェックポイントやロッジで見せなければいけません。

これはなんと下山したらもらうことができます!
ちょっとうれしい記念品です。

ここでランチを受け取って、またバンに乗りスタート地点へ向かいます。

さらに標高は300mほど上がるので、山に弱い夫はすでに頭痛を訴えていました。。。
念には念を入れてここで高山病の薬を服用します。

10分ほど車で走るとスタート地点のゲートが見えてきました!

すでにここで1800mほどの標高があり、少しひんやりした山の空気です。

空気も澄んでいるので、ちょっと懐かしい気持ちになります!

ここでガイドさんから登山での注意事項などを受けます。

ガイドさんはローカルの方で、この道12年、週に2度は登っているという方でした!

今日は1866mのTimpohon Gate から6km上がって、ロッジのあるPanalabanまでいきます。そうすると標高はぐんと上がって、3272mまで到達します。

もう算数の世界がよくわかりません。ただ6kmならいけるんじゃない?と地味にわくわくはしてきます。

ガイドさんからは急がずゆっくり歩くこと、何かあったらすぐに知らせることなど教えてもらいました。

そして実際の出発地点のゲートで最初のチェックポイントを済ませます。カードを見せて、受付にある用紙にサインをします。

ああ、なんかこれが生存確認なのかなと思いました。

この反対側にはショップがあり、飲み物や食料などが買えるようになっていました!

もしお菓子など買い忘れても、ここでパンやおかし、飲み物などを飼うことができます。

ショップの店員さんにもガンバッテー!と笑顔で見送られ…

9:16 出発です!

時間はiphoneの写真を撮った時間です(後半は疲れてあまり写真を撮っていないのでだいたいの時間になります笑)

最初は下りのスタートですがすぐに登山らしい登りの階段が現れます。この時点では、比較的きれいめの階段で歩きやすいです。

まだこのときはガイドさんと話す余裕もあり、みんな元気!

足取りも軽く、各休憩ポイントを目指してあるきます。

うきうきだった登りの1-3km地点

はい、ここまではよかったのです。
体力もあり、0-1km地点までは比較的平坦な道もありつつ、階段もそれほど多くなかったと思います。
段差自体も、登りはあまり高く感じることがなく、「確かに階段多いね~!」とネット情報を確かめるように歩いていました笑

また、明るい時間帯だと下山客とすれ違うことも多く、Helloとあいさつをしあうのですが、すでに頂上に到達したであろう猛者たちは「Good Luck」と笑顔で声をかけてくれるのでした。
単純なわたしにはなんだか彼らが王者のように見えて、明日絶対これやるぞーー!思いました笑
(反対に下山客には「Congratulation」と言うのも翌日聞くことになるので、ますます王者になったような気分にさせてくれるのでした)

さて3km地点までは比較的緑も多いので、気分はちょっときつめのハイキング。

そいて歩いていくとこんな感じで、今どれくらい歩いたか、今標高がいくらかを示す看板が現れます!
これを見つけるたびにテンションが上がって記念撮影をしていました。

以下、0.5kmから3kmまでの看板と休憩所のタイムです。

0.5km 9:32am

1つめの休憩所! 9:49am
1.0km 9:52am

2つめの休憩所 10:17am →
1.5km 10:21am →
2.0km 10:38am →
(あ、ここ休憩が後だったんだ…)

3つ目の休憩所 10:56am →
2.5km 11:09am →
3.0km 11:29am →

というように、だいたい0.5km~1kmの間にひとつ休憩所がある感じです!

休憩所は簡易的や屋根がついており、トイレもあります。

トイレには紙がないので、トイレットペーパーかティッシュは持参するのがベストだと思います。
(わたしは汗で流れて一回も使わなかった…)

水をリフィルするとこはロッジまでなかったので、多めに水分を持っていくことをお勧めします。

休憩所にはよくリスが現れました!

とってもかわいいのですが、ローカルの方々がおやつをあげているのか人間慣れしています。
おやつや食べ物をねらってくるので、気を付けてください。(見てる分にはとっても癒されます、そして結構な数がいるから珍しい…)

このあたりまでは比較的楽しく、多少段差がきつくても途中で休憩せず休憩所まで一気に進めたと思います。

待ちに待った休憩!

途中まではジブリのような森の中に誘い込まれるようでした。
後半は少し霧も出てきて、5-6km地点では少しですが雨も降りました。休憩していると汗で冷える感じがします。
山の天気の変わりやすさを物語っているエリアでした。
テンションを上げるためにスマホの音楽を流しながら歩きました。まだ友達や夫につっこむ余裕が4kmくらいにはあったかな…

4つめの休憩所 11:50am
(え、これ3つめじゃなかったの…?)
3.5km 12:10pm
(そろそろお腹がすいてきた…)
5つめの休憩所 12:37pm

4つめの休憩所あたりから座ったまま休憩所を撮影していることが多いです(立つのだるいw)
5つめの休憩所が比較的広いところだったのと、12時を超えたので、ここでランチタイムにしました!

ランチは出発時にいただいたもので、チャーハンのようなものでした!
おかずがないので、友達からチップスをもらってまぜまぜして食べました(これがとってもおいしい…!)
山で食べるごはんってなんでおいしいんでしょうね…
しばらく休憩してまた出発します!
結構このあたりで脚の疲れも感じるようになってきました。

ここでランチや長めの休憩を取っているグループも多く、とても賑やかな雰囲気でした。

心がぽきぽき折れかける登りの4-6km

これまで元気なほうだったわたしたちも、このあたりから心が折れかけた~という人がいた4-6km地点。残り2kmじゃーん!と喜びながら歩いていたのですが、山って最後畳みかけてくるんですね…

それまで比較的低めの階段かつ石ころも小さ目だったのですが、後半は階段というよりも石の段差に切り替わります!
しかも段差がおおきいところが増えてきます。
もちろん後半になるにつれて景色もがらりと変わり、その雰囲気も楽しめるのですが、歩くとなるとまあ大変!
階段らしく作られているかんじはありましたが、場所によっては股関節を大きく広げてよいこらしょと登るような場面も多かったです。

4.0km 13:09pm
4.5km 13:50pm
(ここ休憩なかったっけ…)
6つめの休憩所 14:16pm

後半の休憩所でも元気なローカルの登山者のみなさん!音楽を聴きながらおしゃべりをして、大きな笑い声が響いています。
おおきな荷物を担いだポーターさんもところどころで休憩していましたが、若い方から年配に見える方々まで様々。いやあああ、すごい…
反対に日本人の我々はほぼ沈黙状態になってきます。
さあ、あと1.5km!!

5.0km 14:31pm
ついに3000m超えてきたーー!
こんな道が増えてきて休憩を入れながら進むようになりました…きちぃ。。。
7つめの休憩所
もはや立ちたくなくてトイレの看板w

途中の休憩所でローカルの登山客と一緒になり、おひとりだったので話していると、会社のクラブ活動のようなグループで20人ほどで参加しているとのこと。”自分は2班だが、一緒にいる参加者が若くて追いつけない!”と笑っており、”会社のレクリエーションとはいえ、なんてことをしているんだ!(リアルなWhat a f***ing thing doing を聞いたw)”と、話していました。みんな考えること一緒なんだな…

5.5km 15:14pm

最後は100mずつカウントダウンする看板が現れますが、この100mがめちゃめちゃ長い!!
3000mを超えてくると息が上がるのが早くなり、これが酸素が薄いということか!?というのを体感させられます。
また岩の大きさによっては脚だけではどうにもならず、手も使ってロッククライミングっぽくなりまさに全身運動。
なんで登ってるんだろう…と考えることも多くなりましたが、とりあえずがむしゃらでした。

そしてついに…

3272m!! 16:00

ロッジのある3727m地点に到達~~~!(ぱちぱちー!)
ここにくるまでに一度チェックポイントを通ります。
後ろに見える小屋が各ロッジで、場所によっては食堂がある大きめのロッジやほぼ寝るだけのロッジなどいくつもの棟が集まっていました。

着いて喜ぶのもつかの間、写真の後ろに見えるのが翌早朝(深夜?)にアタックするローズピークサーキットです。
もう景色が全然違うじゃん!草木のない岩の塊!!ゴローニャとイワークいる??
植物って、ある程度の標高になると活動限界になるみたいで、植物が育たなくなったり種類も変わってくるようです。まさにそんな境目の場所に明日行こうとしています。
ロッジに行くまでの道で、ロープが岩肌に沿って流れているのが見えると「あそこいくんだよ~」とガイドさんがほほえんでいました。
え、あそこ岩だよ???と、脳内はどんどんバグっていきます。

しかし!とりあえずここまで登ってきた自分をほめたい!!

ただ、めちゃめちゃつかれたよ!
ロッジに行くまでのわずから道すらつらい。
そして写真を撮ったら雨も降ってきて冷たい…

ただ、山の空気はとてもおいしくて、クリアで、山育ちだったわたしは地元を思い出させてくれるようでした。

つかの間の休息(食事・ロッジ)

ロッジは食堂から少し離れたところでしたが、どこのロッジよりも登頂アタックへの階段が近かったと思います。
ガイドさんとはいったんここでお別れで、翌朝2時半に向かえに来ると言って解散しました。

リビングといくつかの部屋があり、グループごとに部屋に泊まれるようになっていました(友達ありがとう涙)
わたしたちの部屋は2段ベッド4つありましたが、4人しか入らないので4つの寝袋が置いてあったので、スペースを広めに使えてよかったです。
暖房はないようだったので、あまりあたたかいわけでもなく、基本的には長そで長ズボンで過ごしました。

簡易的なシャワーもついていましたが、ほぼ水(一瞬ぬるい)でした。ドライヤーはないので身体だけ水で洗ってもとてもすっきりしました!
足場はとても冷たいのですが、個人的には慣れた冷たさでした。トイレにもペーパーがあります!
便座は冷えます。
ここで水やお湯(緑のポット)が飲め、リフィル可!ネスカフェやサバティーなどのティーパックなどもありました。あたたかいお茶に砂糖入れて飲むだけで癒されました。もし、飲みたいお茶やスープがあれば持ってくるといいと思いました(友達からもらったおしるこに癒されました~~)

休憩していると明日の登頂アタックについてのブリーフィングがありました。
ヴィアフェラータに参加する人たちは1時間近く説明を受けていたようでしたが、わたしたちは10分ほど。
翌深夜2時に起きて、2時半から歩き始めるそうです。(消灯は20時)距離にして4kmもないようでしたが、あの岩の壁を登るのかと思うと脳内がますますバグっていきそうでした。
しばし部屋でごろごろしていると雨が降ってきたので、これ以上強くならないうちにディナーにいきました。

食堂のあるロッジにいくとすでにたくさんの登山客がにぎやかに過ごしていました(17時ごろ)
ディナーは10種類ほどのブッフェスタイルで、どれもおいしかったです!辛い物はひとつもなくてほっとしました(お腹よわよわなので…)
SOPもありテーブルに座れる人数は制限がありましたが、人も多く心なしか暖かく感じたのでとても元気がでました。
あいにく外は引き続きの雨だったので雲海レストランにはならずでしたが、バランスのいいごはんが食べられてハッピーでした!

食堂の奥にはショップがあり、ジュースやおかしなどが買えます。なんとビールもありました!100plusは人気で売り切れ…。
チョコレートも数がかなり少なくなっていたので、甘い物系のおかしは多めに持ってきた方がよさそうです。店員さんやロッジの人たちはとても気さくでいろいろと話しかけてくれて楽しかったです。

雨が止むのを待ったのですが、なかなか弱くならないのであまり長居せずに自分たちのロッジに戻りました。この時点で寝るときに履こうと思ったジャージがひとつ濡れてしまい、寝るときに履くのを諦めました(1時間しか使ってないのにー!)
あまりパジャマらしいものは持っていくのもなんかな~と思ったのですが、雨に濡れる可能性が高いので、長ズボンや靴下、そして手袋は多めに持って行ってもいいなあと思いました(翌日手が濡れてテンションがた落ちでした)

20時に消灯でしたが、疲れたので19時半くらいには寝袋に入ったと思います。
ロッジの壁はそこまで厚くないので、リビングで他の人たちが話している声がつつぬけで、よくしゃべってるな~元気だな~ちょっと声大きいな~…と思いながら寝ました。
元気な人はほんとに元気ですね…信じられない。。。

寝袋のおかげか人より薄着だったのですが、暑すぎず寒すぎず休めたと思います。いつもと違う環境で、しかもキャンプも苦手人間なので正直寝た気がしなかったのですが、翌朝はアドレナリンが出ていたおかげか1時半くらいに起きました…
寝るときに使ったものは、
・ヒートテック上下(上は2枚着た)
・翌日の登山服(長袖も)
・腹巻
・バスタオル(首元の風通しを塞ぐのと、アイマスクになるのと、自分ちのものだと思うと落ち着くw)
・お背中タオル(小学校のときのスキー授業でお母さんたちがつくってくれたものの定番だったのですが、タオルを2枚つないで肌に触れるようにかぶると上半身があたたまります。そしてこのまま雪山に行くと汗を吸ってくれるので、下山したときに取ると冷えずに帰ることができるのです!思い出してつくりました)
・冬用の靴下
本当であれば、これにもう1枚下のジャージが履けたのですが、それでもこれでなんとかなりました。
ただ東北の冬(ただし、雪があまり降らない地域で、室内で暖房がない部屋)くらいにはなるので、ポーターさんを頼む方であればいろいろ持ってきていいと思います。(すごく独断な気温の測り方だけどw)
もちろん歯ブラシなどもないので絶対忘れないでください!(サロンパスとかはしっかり持ってきたのに歯ブラシ忘れたw)

さあ、起きたら登頂アタックです。
ちゃんと頂上まで行って、そしてちゃんと降りて帰ってこれるのでしょうか…つづく。

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